(2020.2.21)
先日、㈱リクシスというビジネスパーソン向けに介護ビジネスを展開している会社が主催する介護セミナーに参加しました。
親の介護・・・
気が重い事の一つです・・・
そういう考え方もとらえ方次第で変わる、介護をマネジメントする、という内容でした。
自分の充実した生活のためにも、親の介護についても考える必要があると実感しました。
また、介護が不安や気が重い理由に、知らない、わからない、からということがあります.
セミナーに参加して、さらに地域支援包括センターに相談して、介護について知ることができました。
実際、介護が始まったら違うのでしょうが、漠然としていた不安が解消されました。
まだ介護が始まっていないけど、漠然と不安をお持ちの方はご参考ください。
セミナーの内容をまとめました。
この記事の全体像
講師 ㈱リクシスの紹介
- 会社
株式会社リクシス
大介護時代に、すべての人が輝く世界を - 講師 酒井取締役副社長
リクシスさんは、これから迎える大介護時代に、介護される方も介護する方もそれぞれの人生の物語を輝くものにしたいというコンセプトで経営されています。
最先端のIT技術と介護プロフェッショナルの知見、そして人と組織にかかわる変革デザイン技術を結集し、介護にかかわる「すべての人」が、輝き続ける未来をつくります。
当社の特徴は、ビジネス目線で介護をマネジメントしようということです。
社長の佐々木洋子さんは東大出身で外資コンサルで活躍された方です。
講師をされた酒井副社長は慶応義塾大学で理工学専攻、光学系エンジニアとしてオランダ勤務の経験があります。
経営陣を見て介護業界では異色な感じがしました。
ビジネスパーソン向けに、ITなどを使い、介護をマネジメントしバリバリ働けるような仕組みづくりをしている会社と感じました。
介護業界に入る前に、二人ともそれまでの知見を活かして本を執筆されたそうです。その執筆記念パーティーで二人は会い、意気投合し介護事業に取り組んでいったそうです。
講師をした酒井副社長は大学在学中にお母さまが病気になり、以後30年介護を続けているそうです。
途中オランダ赴任中も遠距離介護をし、長年の介護経験から得られた知見を、大介護時代を迎えるビジネスパーソンに伝えて介護される方の生きがい、介護する方の成長の手助けをしていきたいとの想いだそうです。
介護についての考え方
- 多くの人が直面する
- 成長する機会
- 自分でやろうとせず、プロに頼る
- 介護をマネジメントする
介護は避けて通れない時代が来ます。
酒井副社長
「辛い思いもたくさんするでしょう。しかし、辛い思いを乗り越えられたら成長できる、成長できる機会を得ていると物事の捉え方を変えることが大事。そういう経験をしてきたから今の自分がいる」
「自分一人ではせず、色んな支援を受けることができるので支援を活用する、プロにお願いすることが大事」
「介護をマネジメントするという考え方で、ケアマネージャーや介護士など介護のプロにお願いをすること。お風呂一つとっても要介護者をお風呂に入れるのは非常に難しいことで、素人がすると大きな事故になりかねない。」
「子供ができることは別にある、例えば旅行に行ったりとか。そういう時間を親と過ごしてほしい」
介護の気が重いことのひとつに、親をずっと面倒見ていないといけないのではと思うことです。ですが、酒井講師は介護自体が難しいので、プロに任せ、親子でしかできない時間の使い方をするほうがお互いハッピーになるとお話しされ、確かにそうだなと思い、前向きな時間の使い方をすればいいのかと思いました。
介護にかかるお金の話
- 介護期間は10年
- 10年間の最後の2年が重い期間
- 介護にかかる費用は一人800万円
- 扶養とセーフティーネット
- 介護離職は絶対にだめ
平均寿命から健康寿命を引いたのが、介護期間。
平均寿命は男性81歳、女性87歳
健康寿命は男性72歳、女性75歳
この差が介護期間。
男性約9年、女性約12年。
この間ずっと重い介護状態ではなく、体も頭も徐々に衰えていき、最後の2年が重くなるとのことです。
10年間の介護費用は1人あたり約800万円。
一人です。両親2人だとこの2倍。
そしてこれは介護保険適用後です。
介護保険の負担が1割から2割になれば2倍になるということ・・・。
すぐに全部必要になるわけではないですが、親の年金や貯金が少なければ、子供の持ち出しです。
子供は自分の老後のための貯金もしないといけないし・・・
酒井講師
「民間の介護保険で準備するのも方法です」とおしゃっていました。
保険の相談なら保険の総合ショップや、ファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめです。無料で相談できますので、ご活用してみください。
セーフティーネットとは、国の支援です。
国の支援をうまく使いましょうとのことです。
介護保険はもちろんのこと、場合によっては生活保護を使うのもその一つ。
介護には多大なお金がかかります。最悪、自分の生活だけで手一杯の場合、親を扶養する義務は子にはない。
親が収入がないのであれば、生活保護を受けるのも一つと話していました。
悲親子で共倒れするのではなく、セーフティネットを使って最低限の生活をする。セーフティネットは国民の権利であり、使えるなら使った方がよいとのことです。
自分の生活を切り詰めて介護をすることは大変なことです。
ましてや離職は絶対にすべきではないとのこと。
再就職はかなり難しく、収入は大幅に落ちる、できるなら長期休職にすべき。
経済面もそうですが、介護する人が社会とのつながりが切れて介護だけしていたら、ストレスが溜る一方でいいことはないそうです。
介護による虐待は第三者よりも身内の方が圧倒的に多い、こうしたことを避けるためにも介護のプロに介護は任せて、自分は仕事をしたほうがよいとのことです。
準備の話
- 早めの準備、初動が大事
- 地域支援包括センター
- 家族会
早めの準備が非常に大事だそうです。何事もそうですね。
酒井講師
「当時自分には介護の知識が全くなかった、それゆえに時間もお金もかかり、結果、母にもつらい思いをさせた。今の知識、特に人脈があれば母ももっといい介護を受けられ、今、元気に過ごすことができたと思う。人脈といっても難しいことではない、介護に関連する人と接点があるかどうか。仕事をしている人は自分の業務に関わりある人、取引先と名刺交換し、何かあれば連絡するでしょう、それと同じです」とのこと。
仕事では意識していますが、自分の生活を支えてくれる人脈は意外と少ないことに気づかされました。
セミナーのところどころに「介護のプロ」と出てきました。介護のプロは誰かというと「地域支援包括センターの方」とのこと。
自治体の中学校区に一つあります。ネットで「地域支援包括センター」と親が住む自治体を入れれば出てきます。
早速、私は両親が住む実家の自治体の地域支援包括センターに電話し話を聞きに行きました。
無料で親切に教えてくれます。
話を聞いて理解が深まり、不安が半分ぐらいなくなりました。
職員の方は介護事業者で自治体から委託を受けている方です。介護保険とは何か、どういうサービスが受けられるか、どういう手続きをすればいいか、親切に教えてくれました。
さらに、介護をする人のケア、例えば自分の兄弟とか自分の配偶者とかのケアについても教えていただきました。
認知症が疑わしい男性は、自分から病院に行きません。そういう認知症が疑わしい親とのの接し方などもアドバイスいただきました。
自分が忘れている認識はない、その人にとっては初めて言うこと。聞いた人は何度も言われていること。
何度も言うと怒るのではなく、初めて聞いたように接する。
何度も聞いたよ、と怒ると認知症の人はなんで怒られたかわからない、怒られたという嫌な感情だけが残るとのこと。
いかに、お互い穏やかに過ごせるかが大事とのことでした。
また、介護保険も詳しく教えていただきました。
介護状態になったら介護保険で万全に親を見てもらえるわけではありません。介護状態に応じて、保険で適用できるサービスが決まっているし、一か月あたりの回数も決まる。
そもそも本人が希望しなければ介護サービスを使えない。
介護サービスは、要介護者のメリットと、家族で普段介護している人の時間を作ることや身体的負担を軽減させることです。
受ける人が受ける気がないなら使いようがありません。例えばケアホームで取り組む体操やレクレーションなど、そういうのが嫌いな人なら行く気にもなれません。
社交的ではない親だと自宅となり、介護する人は時間捻出が難しいのかなと思いました。
親との接し方
- 親とのパワーバランス
親から自分の老後のこと、介護のこと、相続のことを話してくれればいいですが、うちの親はそういうタイプではありません。
どちらかと言うと、これらのワードを言ったら不機嫌になるタイプです。
不機嫌になるのは親とのパワーバランスだからとおっしゃってました。
子供には言われたくない、というのが親の気持ち
子供ではなく友達だったり、病院の先生だったり、同年代の親戚だったり、第三者的な人からの話の方が聞いてくれる。
私自身、ご年配を担当する仕事が長いですが、親子のパワーバランスというのは考えたことがありませんでした。
もっと親子でコミュニケーションとればいいのに、とばっかり思っていましたが、親の頭の中、気持ちはそう単純ではないのだなと思いました。
地域支援包括センターの人は家に来て話をしてくれます。
今後のサービス受ける時のために、ということにして、親に一緒に聞いてもらい、介護のプロから色々情報を伝えてもらえば親の考えが聞き出せるのかなと思っています。
まとめ
セミナーに参加して、介護について考える、行動するいい機会になりました。
後ろ向きに考えることが多くて、後回しになりがちです。後回しになると介護は手遅れになり、もっともっと大変になります。
親と自分がイキイキと生活できるように、介護のプロに頼り、チームを組んで、マネジメントしていく。
介護は人生について色々と考える機会にもなります。
成長する機会とし、前向きにとらえていこうと思いました。
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