(2020.2.29)
今回の記事はお金を増やすのに必要な知識、「分散投資」と「複利運用」について、この二つがなぜ必要か、まずは複利運用について考えてみました。これを知っていると複利運用の効果がかなり変わってお金がどんどん増えていきますよ!
(リスク商品への投資は減ることもありますのでご注意ください!)
2020年2月24日から28日の株式市場は世界各国がコロナウィルスという見えない恐怖に大暴落しました。。
日経平均は1週間で2243円78銭(9.6%)下げました。リーマン・ショックの時08年10月6~10日(2661円)以来の大きな下げとなっています。
大きな変動が複利運用にはマイナスになります。そのあたりを確認します。
- お金を効率よく増やしたい
- 複利運用て本当にいいの?
- 大きな損が出て、利益が飛んでしまう
- 分散投資は必要なの?
そんな悩みを解消するヒントになる記事を書きました!
複利運用がいいことは知っていても実際の運用に活かせていますか?
複利を説明している資料では、3%や5%で運用できたらと出ていますが、そんな利回りでずっと運用できるわけがありません。
運用していたら今回のコロナショックのように大きく変動することのほうが多いですよね。変動が大きいと複利運用は効果が小さくなります。
実は、この記事で紹介する『分散投資がなぜ必要か』ことを知っていると、複利運用の効果がとても高くなることをご理解いただける思います。
実際、過去のデータで検証した結果、10年間で+24%も運用成果に違いが出ました。
この記事では、複利運用を考える際のポイント、分散投資で運用する意味を解説します。
記事を読み終えると、運用を考える際の複利運用における分散投資=リスク軽減の必要性がわかりますよ!
後ろのパートでは毎週の日経平均運用の運用成績を書いていますので、そちらも併せてご参考ください!
この記事の全体像
単利と複利の差
まずは改めてですが、単利と複利の違いを年間利回り9.8%で簡単に確認します。
結論から言うと、最終的な利益は複利の方が圧倒的に良くなります。
なぜなら、複利はついた利益に対して翌年も利益がつき、さらにその利益に利益が付き、と雪だるま式に増えていくからです。
実際、数字とグラフで見てもらうのがわかりやすいので、以下をご覧ください。
100万円を投資
1年間あたりの利回り9.8 %
10年投資
(表1)
年後 | 単利 | 複利 |
1 | 98,000 | 98,000 |
2 | 98,000 | 107,604 |
3 | 98,000 | 118,149 |
4 | 98,000 | 129,728 |
5 | 98,000 | 142,441 |
6 | 98,000 | 156,400 |
7 | 98,000 | 171,728 |
8 | 98,000 | 188,557 |
9 | 98,000 | 207,035 |
10 | 98,000 | 227,325 |
合計 | 980,000 | 1,546,967 |
グラフにするとこんな感じです。
単利は毎年100万円に対してしか利益がつきませんが、複利は利益に利益が付いているので、このように差がでます。長期になればなるほど差が広がります。
こういった説明は、「単利と複利」「複利効果」「複利運用」で調べるとよく出ています。運用利回り9.8%で計算していますが、これは2%でも3%でも考え方は同じです。
しかし、この説明でされている利回りが安定して出るものでしょうか?このご時世、確実に1%で回わせるものはありません。
リスクをとって運用しなければ1%以上は難しいです。この場合のリスクというのは変動することと考えてください。プラスの時もあれば、マイナスの時もある。
なので、複利効果をわかっていても実は複利を味方につけられていないのです。
ですが、以下の検証をご参考いただけると、なぜ分散投資が必要か、リスクを抑えて運用することが大事かご理解いただけると思います。
ちなみに利回り9.8%で運用なんかできない、と思われますよね。
実はこれ日経平均の2010年から2019年の日経平均の年間騰落率を平均化したものです。
以下、日経平均の騰落率で説明します。(ここからは利回り=騰落率で説明します)
実際の運用の単利と複利 日経平均10年間で検証
2010年から2019年の10年間の日経平均と騰落率です。
単利各年の年初始値と年末終値で検証
(表2)
年 | 年初 | 年終 | 差 | 騰落率 |
2010 | 10,609 | 10,228 | -381 | -3.6% |
2011 | 10,352 | 8,455 | -1897 | -18.3% |
2012 | 8,549 | 10,395 | 1846 | 21.6% |
2013 | 10,604 | 16,291 | 5687 | 53.6% |
2014 | 16,147 | 17,450 | 1303 | 8.1% |
2015 | 17,325 | 19,033 | 1708 | 9.9% |
2016 | 18,818 | 19,114 | 296 | 1.6% |
2017 | 19,298 | 22,764 | 3466 | 18.0% |
2018 | 23,073 | 20,014 | -3059 | -13.3% |
2019 | 19,655 | 23,656 | 4001 | 20.4% |
騰落率合計 | 97.9% | |||
平均騰落率 | 9.8% |
この場合、税金を無視したとして、年始に100万円購入して、年末に売却を毎年繰り返すと、10年間でトータル979,000円の利益が出たということになります。
次に上記の騰落率で複利運用をした場合を考えてみます。
(表3)
年 | 日経平均 年間騰落率 |
投資100万円に対する 単年騰落率 |
年末元本 |
2010 | -3.6% | -3.6% | 96.4 |
2011 | -18.3% | -17.7% | 78.7 |
2012 | 21.6% | 17.0% | 95.7 |
2013 | 53.6% | 51.3% | 147.1 |
2014 | 8.1% | 11.9% | 159.0 |
2015 | 9.9% | 15.7% | 174.6 |
2016 | 1.6% | 2.7% | 177.4 |
2017 | 18.0% | 31.9% | 209.2 |
2018 | -13.3% | -27.7% | 181.5 |
2019 | 20.4% | 36.9% | 218.4 |
合計 | 118.4% | ||
平均(単利計算) | 11.8% |
いかがですか?
単利運用した時よりも20%も利益が変わってきます。かなり大きいです。
一番右、当初元本100万円に対して、年間の損益を加減算していきます。
その年末元本に対して、翌年の日経平均年間騰落率により損益が発生していくので、プラスであれば雪だるま式に増えていくということです。
右から二列目は、当初100万円を基準にした単年度あたりの騰落率です。複利により元本が増えているため、日経平均の騰落率に対して、大きく変動しているのがわかります。
その分、プラスの時はいいですが、マイナスの時もマイナス幅が大きくなっています。
実はここがポイントです。
なぜなら、このマイナス幅を小さくすることで、複利の効果が大きくなるからです。
具体的な数字で説明しますが、実はすでに見ている数字です。
最初に上のパートで単利と複利のシミュレーションをした、平均利回り9.8%というのがその数字です。
10年後に154.6万円の利益がでています。
整理すると
各年の日経平均騰落率で単利運用 | 97.9% |
各年の日経平均騰落率で複利運用 | 118.4% |
日経平均騰落率の平均9.8%で複利運用 | 154.6% |
となります。
つまり、ヒントはここにあります。
できる限りマイナスを作らないということです。
こちらの数字を見てください。
(表4)
年 | 日経平均騰落率(仮) | 投資100万円に対する 単年騰落率 |
平均(単利計算)年末元本 |
2010 | -3.6% | -3.6% | 96.4 |
2011 | -3.3% | -3.2% | 93.2 |
2012 | 21.6% | 20.1% | 113.3 |
2013 | 28.6% | 32.4% | 145.8 |
2014 | 8.1% | 11.8% | 157.5 |
2015 | 9.9% | 15.5% | 173.1 |
2016 | 1.6% | 2.7% | 175.8 |
2017 | 18.0% | 31.6% | 207.4 |
2018 | -3.3% | -6.8% | 200.6 |
2019 | 20.4% | 40.8% | 241.4 |
合計 | 97.9% | 141.4% | |
平均(単利計算) | 9.8% | 14.1% |
いかがですか?
先ほどの(表3)日経平均の複利累積が118.4%だったのが、141.4%(+24%)にもなりました!
ですが、日経平均騰落率の合計値は同じ97.9%です。
実は(表4)は、3か所数字を調整しています。
2013年日経平均が53%上昇、2011年と2018年は10%超下落、これを2013年分の上昇分を2011年と2018年に割り振り、マイナス幅を縮小したのです。
単利合計は変わらないものの、複利合計が変わるのは、途中に大きなマイナスがあるかないかです。
つまり、
マイナス幅を小さくすること
=変動のブレを小さくする
=分散投資
が複利運用のポイントになります!
個人的には上昇を狙える株物で、動きが異なる組合わせで運用し、年間騰落率のブレが抑えられるようになるのがいいのではと思っています。
リスク分散投資についてはまた別記事を書きたいと思います。
まずは複利運用するには、マイナス幅を抑える=変動のブレを抑える=分散投資が効果的ということご理解いただくだけでも運用成績UPにつながりますよ!
日経平均運用の成績
こちらでは実践している日経平均運用の成績を書いています。
運用成績の記録について
- 運用開始は2020年1月16日
- 運用損益は運用金額に対してではなく、拘束金額に対してとします
- 拘束金額とは、信用取引や成行注文の場合、購入金額以上に口座にお金を入れておく必要があり、投資はしていないものの、拘束されているため実質運用資金として考えます
- 楽天レバでの運用が基本ですが、試行錯誤しているので別の運用商品も組み合わせたりします
- その場合も、運用損益の中に含めて計算しています
(楽天レバ→楽天ETF日経レバレッジ指数)
拘束金額に対しての運用損益
期間 | 損益率 |
1/15~1/31 | -2.1% |
2/3~2/7 | -0.5% |
2/10~2/14 | -0.9% |
2/17~2/21 | 1.8% |
2/25~2/28 | -10.2% |
累積 | -11.8% |
日経平均と楽天レバとの比較
- 2020年1月15日の日経平均終値 23915.68円
- 2020年1月15日の楽天ETF日経レバレッジ指数終値 13160円
- ①は1月16日を基準にした単純な損益率
- ②は当運用方法でルール通りにできた場合の損益率
対象 | 損益率 |
日経平均① | -11.6% |
日経平均② | -2.4% |
楽天レバ① | -22.9% |
楽天レバ② | -14.5% |
今週は大変動の相場でしたが、なんと日経平均の②の損益率は通常の損益率よりも安定していました。
下げ局面でもこの運用方法の優位性は確認できたのですが、日経平均指数と実際売買されるETF楽天レバの動きが想定以上に違い、日経平均ほどの成果が得れられませんでした。
これはこの運用方法の課題なので、引き続き考えていきたいと思います。

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