銀行のリテール部門で働いている方、これから働く方に、おすすめする資格7選です!
- 銀行で働くにはどんな資格を持っていれば有利なの?
- ステップアップのためにはどんな資格が有利なの?
と気になっている方に参考になる記事を書きました。
実際、私は銀行に勤めていて、その勤務経験からご紹介させていただきます!
先に申し上げると、残念なことに資格を持っていても、直接、昇格や年収UPにはつながらないですし、資格手当ても付きません。。。合格した時には奨励金がわずかばかり出るだけです。
銀行では昇格や管理職になれば年収がUPしますが、資格を持っていれば昇格しやすいか、管理職になりやすいか、というとそんな事はありません。
銀行の昇格とは、経営層(支店長や部長、果ては役員)になっていくことを意味します。経営層に必要なのはマネジメント能力です。
金融機関勤務には必須であろうFPの資格すら持っていない、金融商品や経済的な専門知識がない支店長、部長なんてたくさんいます。(笑)
銀行の資格保有の統計は知りませんが、経営層の人ほど資格保持者は少なくて、経営層ではない担当者の方が資格保持者が多いと感じます。
銀行で出世して、支店長、部長、役員になって年収UPしたいのであれば、資格の勉強をせず、飲みのお付き合いをしたり、土日に上司とゴルフに行ったり処世術を勉強したほうがいいかもしれません。苦笑
資格取得について考えた記事です。こちらもご参考ください。

それでは銀行で働いてて資格取得する意味は何のためか。
私は銀行でやりたい仕事があるなら、資格取得をするものだと思っています。
個人営業をしっかりとやりたいなら、それに関連する資格を勉強する、それだけです。
もちろんそういった努力が評価されて昇格に好影響となることは十分あります。
銀行では必ず取らないといけない資格、証券外務員試験や保険募集人の資格などがありますが、それとは別で自己研鑽として取り組む資格があります。
おすすめの資格を以下の項目について、独自の判断で評価していきます。
活用については業務そのもので使うかどうか
難易度は★が多いほど難しい(その分持っていれば一目置かれる)
将来性について、銀行以外でも使えるか、今後使えるか
という観点です!
この記事の全体像
金融に関する網羅的な資格
①ファイナンシャルプランナー資格 (1級、2級)
FPは必ず取ったほうがいいです。
富裕層を担当される方ならば、1級は持っておきたいところです。
金融について網羅的にカバーしている良質な資格です。大きく6分野です。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理(いわゆる保険)
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
FP試験は「金融財政事情研究会(きんざい)」が実施している国家資格ファイナンシャル・プライニング技能士と「日本FP協会」が実施しているAFP、CFPがあります。
銀行勤務の方は「きんざいのFP技能士」がいいです。国家資格ですし、継続教育がないので楽です。
日本FP協会のAFP、CFPは継続教育があります。そのほうが知識をブラッシュアップできますのでいいという方もいます。独立系や保険代理店FPなどはこっちを取っている人も多いと思います。
金融機関のFP技能士の取得状況は私の肌感覚ですがリテール営業している人で2級が20~30%、1級で5~10%ぐらいの人が資格を保有していると思います。みんなあまり勉強してないという印象を持っています。
今やリテール営業はコンサルティング営業ができないと勤まりません。AIの発展は金融業界で働く人には脅威です。
単純な運用の提案ではなく、FPの知識を活かしてライフプラニングをベースに、必要な貯蓄方法や金融商品、人生の中で高い買い物とされる不動産や保険の知識、蓄積した資産を次に承継するための知識、等々お金にまつわることを多角的に提案することが求めらます。
その点においてFPの資格の勉強をしておくといいと思います。
リテール営業を3年ぐらい経験して2級の勉強が抵抗なくできる感じだと思います。1級だと5年以上の経験があればいいと思います。私は1級取ったのは社会人9年目でした。。。おそい。。。
将来像はFP資格だけでの独立開業は厳しいでしょう。税理士等ほかの資格も必要です。
基本的には金融機関に勤める、企業内FPとして活躍することになります。
将来像:企業に勤めるいわゆる企業内FP、独立系FP、保険代理店(自営)
②プライベートバンカー資格 (プライマリー、シニア)
活用ランク:B
難易度:A
将来像:金融機関 富裕層担当 外資系
日本証券アナリスト協会が運営している比較的新しい資格です。
FP資格の富裕層に特化しています。
富裕層(資産一億円以上)医者、不動産持ち、中小企業オーナーを担当される人にはいいと思います。
ファミリービジネス、その一族の繁栄最大化のために、資産活用や承継の観点から総合的なコンサルティング能力が身に付く資格です。
一次試験は選択問題でFP1級の知識があれば難しくないと思います。
二次試験が特徴的で提案書作成という試験です。
一次試験に受かると富裕層のプロフィールや課題などが書いたA4資料5枚ほどが送られてきて、それに対しての総合的なアプローチを20枚ぐらいの提案書に落とし込みます。
きちんと顧客ニーズを捉えているか、適切なアドバイスか、税務的な観点等から裏付けある提案か、といったことが評価されます。なかなか面白いです。
資格取得後は継続教育があり2年の間に決められたセミナーなどを受け必要な単位を取得し更新が必要になります。
中には面白いセミナーがありますので、勉強になります。
運用系の資格
③証券アナリスト
活用ランク:B
難易度:A
将来像:金融機関
運用、マーケットに強い人は持っている感じです。ただ、個人のお客さまを担当するにあたって、「理論が~」なんて話してもあまり意味がありませんので、なくても大丈夫だと思います。
承継関連の資格
④事業承継・M&Aエキスパート
活用ランク:B
難易度:C
将来像:金融機関
実はこれ資格の名称が立派ですが、試験自体はそんなに難しくないです。FPを持っていて承継関連の仕事をしている人なら特に勉強しなくてもほぼ楽勝で受かると思います。それなのに名刺にも資格を載せることができるので、承継関連の仕事をしている人はそれだけでお客様からの信頼を得られます。
ただし、やはり簡単なだけあって、たとえば転職で有利になるかというとそういうことはなく、金融機関内でしか有利にならないと思います。
不動産関連の資格
⑤宅地建物取引士
活用ランク:C
難易度:A
将来像:不動産関係の仕事もできます
不動産関連の仕事をしているならぜひ持っておきたい資格です。銀行の場合だと融資の話がついてまわりますが、ただ単に貸す貸さないという話だけではなく、物件そのもの不動産取引におけるポイントがわかっているとお客様からの信頼度は抜群になります。ちなみに合格しても登録をしないと名刺には書けません。
将来的には不動産関連の会社に転職するなら大変有利になります。
法人関連の資格
⑥簿記検定
簿記3級 (リテール営業であれば2級はいらない)
活用ランク:B
難易度:B
将来像:これだけでは・・・。
個人営業を考えると正直使う出番はありません。法人申告書・決算書を見ることもありませんし。ただ、やはり銀行員たるもの、お金の流れの知識はあったほうがいいでしょう。最近はリテール担当者が中小企業オーナーへアプローチする機会が増えてますので、知識があって損はないです。リテール担当者は決算書が読める人は非常に少ないので、読めれば非常に有利になると思います。
簿記の知識だけでは将来は難しいですね。銀行の場合、将来的に取引先に経理担当で出向ということも考えられますが、リテール担当者だとその道はないと考えておいたほうがいいと思います。
⑦プロフェッショナルCFO
活用ランク:C
難易度:A
将来像:資格の名称はCFOなれど、CFOにはなれない
簿記が経理とすると、こちらは財務になります。財務は資金調達(銀行融資、株式発行など)、資本政策、資金運用(投資、M&Aなど)など。企業価値を高めるという観点になります。リテール営業としてはほとんど活用する場がないですが、企業オーナーと話をするときに経理的な話だけでなく、財務戦略を語って企業価値を高める話ができるとかっこいいですね。
将来はCFOとありますが、上場会社で活躍するCFOになるのは無理でしょう。活躍しているCFOは投資銀行やアナリストなどM&Aに携わっていた人が多く、大変優秀な人達です。
まとめ
こう考えると、FPは絶対取ったほうがよくて、いまの会社をやめた時にどういったところに再就職するかを考え、何の勉強をするのか考えたほうがよさそうです。
私はリテール部門が好きですし、独立系FPにあこがれているので、その分野で活用できる知識を高めていきたいと思っています。
ちなみに、「いつか取る」と言っている人は取れません。「〇〇までに取る」としっかりと期限を決めましょう。
色々資格はありますが、長い社会人生活です。毎年1つづつ取れば、10年で10資格です!頑張りましょう!